一瞬の出来事 儚いけれど強くもある命

  • 2010.08.29 Sunday
  • 22:04


ここ、嬬恋の鎌原観音堂を訪れたのは
もうすぐ終戦記念日を迎えようとする8月12日でしたか…


   戦争は私たちの力で防ぐことはできても、自然災害は予測もできない、
   まして防ぐことは私たちには不可能であると思い知らされた 
  

    天命3年(1783年)の浅間山の噴火がそれ

    助かった命と消えた命があった場所、それがここ鎌原の観音堂
    この話は何かで読んだことはあったけど、
    そして、この辺りは何度も通っていたというのに、、初めて訪れた








                                     今も手を合わせる人たちがいる…
        
    


    




   あっという間にこの鎌原村は飲みこまれることになった 
   当時村民は570人ほど、そのうちの477人が命を奪われた
   火砕流に気づき、この観音堂にたどり着いた僅か93名のみが
   奇跡的に助かったという…



               

                                階段を上ると観音さま…
                                   御本尊は十一面観音  
            
                      

熱泥流は当時150段余りあったと伝えられる石段の足元にまで迫り、
15段を残して止まったというのだ





 
噴火は今の暦で8月のはじめ、あれから 227年が経ったことになる





                       今もここでお茶を振る舞う人たちがいる…
                  あの時観音堂で助かった人たちの、何代目になるのでしょうか





昭和54年の発掘調査で、15段の少し下で女性2名の遺体が発見された
現在も残るこの石段が生死を分けたことから、村人を守った奇跡の地としても知られる



      発掘時の様子↓







女性2人は綺麗な形で発見された

  比較的若い女性が お年を召した女性をおぶったそのままの姿だったそうだ
  あと、15段を上っていさえすれば…  



  背負っていたのは、その顔の復元が頭蓋骨から割り出されていたのだけど、
  よく似ていた
  歩くことが困難な年老いた母を背負い、ここまで逃げて来たのだろうか

  若い女性が一人だったら間に合ったのかもしれない

  それが母だとしたら 母は
  「あなただけ行って、早く〜!」 
  と、迫りくる恐怖の中で泣き叫んでいたのではないだろうか…
  せめて娘だけでもと
  自分の犠牲にすることはできないと思うだろうな

  また娘さんの気持ちも痛いほどわかる
  一人で逃げることなんてできない


  ここに必死でたどり着いた二人、その階段の途中、あと15段のところで…


  あぁ すごいことだ、
  火砕流は時速360キロにも達していたという…


  
  


        


                        


鎌原は「東洋のポンペイ」とも呼ばれ、埋もれた村から発掘された品々が
隣接する郷土資料館に展示されている


     当時、ここは草津温泉への宿場町として栄えていたことがわかる


私たちがよく知り、たぶん多くの人が行ったこともあると思う「鬼押し出し園」は噴火の脅威を
自然の側面から知ることのできる場所だとしたら、
ここ鎌原の観音堂と郷土資料館は人にスポットを当てた、
人をどんな恐怖の中に飲み込んだかを知ることのできる場所だろうか




   




奇跡的に免れた人たち、家を失くした彼らは、
被災から3カ月後には 残る人たちで7組の新夫婦をつくったという
最終的に再婚したのは30組に達したとか


そこからこの村の復興が始まった


残った人たちが懸命に繋がって生きようとした
一瞬にして命を奪われてしまうほど儚い人の命だけど、生き残った人たちはとても強かったと思う








静かな村には 現在何名の人たちが暮らすのであろうか
調べていないけど、、 

  あれから 227年
  93名の残された命の強さが鎌原をここまで生き返らせていた


       自然の脅威と儚い命、
       その中でも懸命に生きた、人の強さをすごいなとも知った

       いつも何気なく見ていた浅間山がいつもと違う山に見えた
       夏休み…   鎌原観音堂のことです




                     





コメント
なるほど、そういうお話があったのですね。
そちら方面にはあまり行ったことがないので
初めて聞くお話です・・・・

今では自然災害も人災もどきのものがあるけれど、
その当時はまさに神の仕業と紛うべきこととして
怖れられたのでしょうね・・・・

それはその土地に初めて起きたことではなく
昔から起きていたであろうものだったから
噴火が再び起こることは言い伝えとして残っていたのでしょうね。
そしてその前触れはきっとあったのでしょう。
でも、そんなの迷信だと言って疑った475名の人が命をおとし、
2名の母娘は気づいていたのだけれど
あとちょっとのところで息絶えた。
それ以外の93名が迷信を信じ早めに避難して助かった。
案外そんなことなのかもしれません・・・・

災害が起こりうると想像できても
人はその土地から簡単に去ることはできません。
宮城県に近いうちに大地震が来ることは県民全てが思っていても、
誰ひとり逃げていかない。
関東だってそうだよね・・・・

災害があっても土地と人とは固く結びつている。
生きていこうと人々は何度でも立ち上がる。
この歴史の繰り返しを誰が責めることができましょうか・・・・
  • tomato
  • 2010/08/29 11:31 PM
後15段のところが・・それが人の生死を分けた
身につまされるお話しですね。
150段もある階段をお母様をおぶって、後15段遺したとはいえ
よくここまで頑張って逃げて来られたこと!
なのに、たった15段のところで二人とも呑み込まれ命を落としたとは
美しくも悲しすぎる現実がここにあるのですね。
時速360キロの火砕流、想像を絶する現場だったことは
見ていなくても想像がつきます。
発掘された人骨が綺麗に残っていたのは
それもまた奇跡ですね。

多くの命が自然を前に散っていき
遺された命は悲しみを背負いつつ
新しい繋がりを持って、村を復興させる
人は強いものですね。

227年が過ぎてもこうしてあの日を忘れず感謝の意を持って
訪れる人々にお茶をふるまう
そこにはご先祖様と観音様を敬う気持ちが
脈々と受け継がれている証拠。
ご先祖様の頑張りが実を結んでいる証拠でもありますね。
神様は
確実に存在しますよ・・・
写真の腕がどんどん上がってますね(笑)
  • eiji
  • 2010/08/30 3:01 AM
鬼押し出しは何回か行きました。
浅間山の噴火した時、流れ出した溶岩流の凄さが判りますね。
この観音堂も行った事があると思いますが、はっきり思い出せません。
この話も読んだ事がありそうです。
自然のもの凄い景観の方が印象的でした。
そうなんですぅ、鬼押し出しは知っていても、残念ながら鎌原村のことは埋もれてしまってます。
軽井沢から草津、万座方面へ行くことがないとなかなか通りもしない静かな村です。
(今は嬬恋村になっていると思いますが)

この時の浅間山の噴火も前兆というのか、は3カ月間だったかな、続いたそうですので、
突然噴火というわけではないんですよね。
しかし、それがどんなに大きな噴火に繋がるかは、当時ならなおさらなかなか予測もできないし、
まして事前にその地を離れることなどできないですよね。
今だって難しいのですから、その時はもっとだったと思います。

この時の噴火の影響が天明の大飢饉に繋がっている、という話も聞きます。
あ、余談になりますけど…
この年、浅間山の噴火以前にアイルランドのラキ火山の噴火もあったようで塵は北半球を長い間覆うことになったとか…
低温冷害が天明の大飢饉やフランス革命へも影響したとも言われていますから。
どんな大きな災害だったか、いかに後々まで影響するものであったかがわかります、
自然の大きさ、人の力ではどうにもならない脅威。
そんな背景もあって、この村の残った人たちの強さには感動せずにいられません。

>災害があっても土地と人とは固く結びつている。
生きていこうと人々は何度でも立ち上がる。
この歴史の繰り返しを誰が責めることができましょうか・・・・

そう、それが歴史、
人が大きな自然の中で生きている、生かされているということなのでしょうね。
  • naoko/tomatoさんへ
  • 2010/08/30 7:00 PM
生死を分けた15段の、なんとも辛いその場所でした。
そうですよね、150段あるうちの、あともうちょっとだったのに…
200年もこの階段に埋もれていた母娘(たぶん)が
見つからなければ、
ただの人命を助けることになった階段・観音さまのお話で終わってしまいます。
このようなドラマがあったことを知る由もありません。
そう考えるとこの奇跡は、
母娘の強い愛によるもの、それが発見に至ったのかもしれないわ。

生死を分けたものはなんだったのでしょうか。
生き残った人たちが強かったというのは、
きっと家族や大切な人を亡くしたからこそでしょうね。
悲しみを乗り越えてこそ、
亡くなった人たちの分も頑張らなければ、その人たちの命をももらっている…
と奮起した結集だったと思います。
人は一人では弱いし、大きな自然の中でもちっぽけだけど、
こうして繋がることが今に繋がっている、
儚くも強い命に感動せずにはいられませんでした。

ご丁寧に2コメ、ありがとうございました。
  • naoko/金田さんへ
  • 2010/08/30 10:10 PM
神様はいますね!
この階段を上ることのできた93人は観音様に守られたと思うし。

あら、私にも?
写真の神様がいたのでしょうか〜!?(笑)
うふふ、ありがとうございます(^O^)/
  • naoko/eijiさんへ
  • 2010/08/30 10:13 PM
鬼押し出しは皆さん行きますけど、ここは本当に悲しいくらい知られていないんです。
軽井沢から草津、万座方面へ行かないと、
わざわざ行く人もいないでしょうね。
他には何もない静かな場所です。

あれだけの鬼押し出しをつくったのですものね、人々の恐怖もそれはいい表わせないくらい大きなものだったに違いないですよね。

山は生きている、って思いましたよ〜
  • naoko/あだっちゃんへ
  • 2010/08/30 10:16 PM
★★★★☆★★★★☆
★★★★☆★★★★☆
遅くなりました。こんばんわnaokoさん

そうですか…あの勇壮な浅間にそんな悲しい災害があったのですね。
知りませんでした。いつもグリーン上から浅間の位置を確認して
(72のグリーンは浅間に対して純目なので)、その姿を美しいと思い
ながら見ていたのですが…。

多くの方がご存じのように、浅間は今でも活火山で思い出したように
噴煙を吐きだしますから。

確か5年前にも大きな噴火があって、幼稚園の『山のお泊まり園』が
中止になったのを思い出します。

アウトレットが出来て中途半端な情報を流すと、人出が少なくなって
大打撃になることから、あまり積極的に噴火を口にする事はないですが、
行くと『あー今日も浅間噴火しているなぁ』って事がまましてありますから。



15段の少し下から年配者を背負った若い方の遺体が見つかった話。
決して言い伝えじゃなくて、本当に15段目まで火砕流が押し寄せたって
事ですね。
まさに史実だったと言う事ですね。

あと数段…本当にあと数段登り切れば、お二人の命が長らえたって事
なのでしょう。しかしそうならなかった。

naokoさんもお書きになっていますが、この歳になると、背負われた
親の気持ちも、背負う子の気持ちも、分かってしまって…心が苦しくなります。

ある意味美談の側面も持っている為に、苦しくなります。

あと数段。

本当に数十秒、いや数秒の差で生死を分けたのかも知れません。

もちろん両者が生き残って欲しかった思いですが、亡くなった二人は
子は親を親は子をたがいに思っていた事だけは確かで、それだけが
救われた気持ちになります。


自然の前には人は無力なのです。どこかで自然を征服した気になって
いるのは、やはり驕りなのだと改めて思いました。
恥ずかしながら初めて知った事なのですが、多くの人命が失われた事に
心からご冥福をお祈りしたいと思います。
おはようございます。

そうですよね、時折噴煙を上げながらもいつも変わらない美しさでそこに立つ浅間山。
が、こんな過去と人との闘いがあったのですよね。

ありましたね、あれは5年前でしたか〜
でも、そんなものとは比較にならない、
地球の環境まで変えてしまうような天明の噴火だったようです。
想像を越えています。
関西でもその爆音が響き、何日も空は真っ黒におおわれたまま…だったと文献にはありました。

きっと次に浅間山をご覧になる時はちょっと違う姿に見えるかもしれませんよ〜
浅間山、本当に怒ったら^m^怖いです。。

そうそう、二人の気持ちがよくわかるようになった私もお年頃(笑)なので、
本当にその発掘時の写真には胸が痛くなりました。
私も互いに思い合った、その気持ちが強かったから
こうして約200年後の発見に繋がったのだと思います。

自然を征服なんてできませんよね。
ここに生かされている、という意識が大切でしょうね。
草津方面へお出かけの際は是非立ち寄ってくださいませ。
鎌原観音堂と隣接の郷土資料館、
嬬恋はキャベツだけではなかったんです(-.-)





  • naoko/ナチョパパさんへ
  • 2010/08/31 8:39 AM
コメントする








    
この記事のトラックバックURL
トラックバック

categories

archives

recent comment

recent trackback

profile

naoko55本箱

search this site.

calendar

S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728   
<< February 2018 >>

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM